リビングにもキッチンにも!進化系災害食で家中に美味しい安心を置く方法
災害への備えは重要だと理解しつつも、どこか特別なもの、手間に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。従来の非常食を備蓄庫にしまい込むイメージから、なかなか一歩を踏み出せないという声も耳にします。
しかし、「進化系災害食」と「ローリングストック」という考え方を組み合わせることで、備えはもっと日常的で、手軽なものになります。特に、キッチンやパントリーといった特定の場所にまとめて置くのではなく、家中のあちこちに分散して備える方法は、手軽さだけでなく、いざという時の安心感を高める効果が期待できます。
なぜ家中のあちこちに備えるのが良いのか
災害が発生した際、私たちは必ずしもキッチンにいるとは限りません。リビングでくつろいでいる時かもしれませんし、寝室で休んでいる時かもしれません。また、建物の被害によっては、特定の場所が使えなくなってしまう可能性も考えられます。
家中の様々な場所に進化系災害食を備えておくことには、以下のようなメリットがあります。
- 緊急時にすぐに手が届く: 揺れが収まった後、安全な場所にすぐに移動する必要がある場合や、家具の倒壊などでキッチンの通路が塞がれてしまった場合でも、今いる場所の近くに備えがあれば迅速に対応できます。
- 備蓄場所の偏りをなくす: 特定の一箇所に全ての備蓄を集中させてしまうと、その場所が被害を受けると全ての備えが使えなくなるリスクがあります。分散することで、このリスクを軽減できます。
- 心理的な安心感: 普段過ごす場所の近くに「美味しい備え」があるという事実は、漠然とした不安を和らげ、いざという時の落ち着きにつながります。
- 家族それぞれの状況に対応: 家族が別々の部屋にいる場合でも、それぞれの近くに備えがあれば安心です。
どこに、何を、どのように備えるか
家中のあちこちに備えるといっても、大掛かりなことではありません。進化系災害食は、普段の食事としても楽しめるものが多いため、特別な場所に保管する必要はありません。
備える場所の例
- リビング: テレビ台の引き出し、本棚や飾り棚の空きスペース、コーヒーテーブルの下など。普段使うものを置く場所に自然に馴染みます。
- 寝室: ベッドサイドの引き出し、クローゼットの棚、ベッド下の収納など。夜間や早朝の災害に備えます。
- 玄関: 靴箱の上や中に、すぐに持ち出せる最低限のものを。避難する際に役立ちます。
- 子供部屋: 子供の手が届く安全な場所に、子供が好きなおやつやレトルト食品など。
- その他: 書斎、趣味の部屋など、長時間過ごす可能性のある場所。
備えるものの例(進化系災害食の種類)
各場所に多くの量を置く必要はありません。その場所で過ごす可能性のある人数が、数回分(例えば1〜2日分)の食事や水分を摂れる量を想定します。
- すぐに食べられるもの: 長期保存可能なパン、パックごはん、おにぎり、レトルト惣菜、缶詰、ドライフルーツ、ナッツ、ようかん、チョコレートなど。開封したらすぐに食べられるものが便利です。
- 水分: 長期保存可能な水、ジュース、経口補水液など。小さめのペットボトルやパウチタイプのものが場所を取りません。
- 温め不要なもの: 加熱せずそのまま美味しく食べられるレトルトパウチ食品など。
- 普段食べ慣れているもの: 賞味期限が長く、常温保存可能な普段のお菓子や飲み物なども、少量であれば備えの一部になります。
備え方の工夫
- 小さく分ける: 1日分や1食分など、小さな単位でまとめておくと、管理しやすく、持ち運びにも便利です。
- 分かりやすく: 透明なジッパー付き袋や、蓋つきのプラスチックケースに入れると、中身が一目で分かります。
- 目立たず馴染ませる: カラフルなパッケージが気になる場合は、シンプルな収納ボックスに入れるなど、インテリアに馴染む工夫をします。
- リスト化: 各場所に何をどれだけ置いているか、簡単なリストを作っておくと、ローリングストックでの管理がしやすくなります。
ローリングストックで美味しく続ける
家中のあちこちに備えたら、それを忘れてしまっては意味がありません。そこで重要なのが「ローリングストック」です。
ローリングストックは、普段の食事として消費した分だけ買い足すという方法です。家中のあちこちに備えた進化系災害食も、定期的に場所を確認し、賞味期限が近いものから普段の食卓やお弁当、おやつとして消費します。そして、消費した分を買い足して同じ場所に戻すことで、常に新鮮な備えを維持できます。
例えば、寝室に備えた長期保存パンを休日の朝食に食べたり、リビングの引き出しに入れたレトルト惣菜を忙しい日の夕食に使ったりします。買い物の際には、その分を忘れずに補充することを習慣にします。
この「食べて、買って、補充する」というサイクルを家中の備蓄場所で繰り返すことで、特別な手間をかけることなく、無理なく美味しい備えを続けることが可能になります。
まとめ
災害への備えは、必ずしも大掛かりなことである必要はありません。進化系災害食の「普段使いできる美味しさ」と、ローリングストックの「無理なく続ける仕組み」を活用し、キッチンだけでなく家中の様々な場所に「美味しい安心」を分散して備えることは、手軽でありながら、いざという時の安心感を大きく高める賢い方法です。
まずは、普段最も長く過ごす場所の近くから、お気に入りの進化系災害食を少し置いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。無理なく、美味しく、あなたらしい備えを見つけるための一歩となることを願っています。